In my 高野豆腐 head

頭スカスカ人間による雑文置き場

ホルマリン公爵

長S道夫ことホルマリン公爵は、ネウヨの時雨煮とヨクの乾燥振り掛けで財を成した平民上がりの貴族である。誰もが彼のどでかい屋敷を足立城とよんでいた。足立城には人呼んで足立5人衆と呼ばれる忍びのものが住み込んでいた。忍びのものは、昼間は台東区にあるカレーショップでカレー鍋をかき回しつつ、夜は隠密行動をして主君に忠勤するのであった。バーバーショップ「イモリ」には、忍びをやめた理容師が雇われて住み込みで働いていた。なお、このカレーショップとバーバーショップは一つの街区の対角に位置している。ホルマリン公爵の功績は、亜虫区立図書館所蔵のホルマリン全集に詳しい。

ある時、足立五人衆のうちの一人に、命を狙われたことがある。うなぎの寝床のような横丁を歩いていたとき、後ろからつけてくるのがはっきりと感じられた。でも、徐々にその横丁が、うなぎの寝床然としてくるに従って、うなぎの表面の粘液、またその絶滅危惧種としてのいやらしさと深海を産卵地とする淀んだ感覚とが密に結び合い、彼を犯しつつ夜のあわいへと運び去ったのだ。ニンニン。