In my 高野豆腐 head

頭スカスカ人間による雑文置き場

文学的酩酊

作家の町田氏が断酒の後、飲酒の習慣に深くはまり込んだときのことを文章に綴ることによって文学的酩酊とも呼べる体験をした、と述べている。 

https://realsound.jp/book/2020/01/post-491059_1.htmlhttps://danro.asahi.com/article/12933086

 

私はかつて文通をしていた友人から、「お前の文章は酔っている時は理路整然としていて、シラフの時は却って込み入った、わかりにくいものとなっている」と指摘されたとこがある。この記述を読んで、文章上でトリップするという密かな楽しみ、ここ久しく味わっていなかった悦楽を思い出したのであった。

脈絡のないこと、心に浮かんだこと、言葉の繋がりだけでツギハギされた文章を綴っていくと、理性の方角を失ったような一瞬がやがて訪れる。あまりにも意味のある、実用的な文章を綴り続けることにより、言葉の理性を侵食するような作用を久しく忘れてしまっていた。これからしばらく、言葉による酩酊を追求した文章を綴っていこうと思った。